ウェディングマリアのコーヒーブレイク

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美しさと喜びのために・・・

先日・・・・あるセミナーに参加しました。
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ずいぶん以前の話なのですが、16年ほど前に
県内のこの地元より北の里山を舞台に「クリスト展」が開催されました・・・・(スケールが大きいので開催よりは、実行された、かな。
私の小さな子供達を連れて、鑑賞(体験)に、たずねていきました。

日本の原風景に近いような細い谷あいの村のそこ、ここに、青いアンブレラがたくさん建てられていました。全部で1340本。
稲刈りの終わった田んぼの中、山すそ、民家、川の中にまで。
そこに住む住民は、アンブレラの存在の中で普通に生活し、その「空間」の中に、自然に溶け合っていました。
そんな体験は、あのときが初めてで、不思議な満足感と高揚を覚えたことを、はっきり記憶しています。

今回は「街づくりセミナー」と題されて、地元の商工会議所が主催したものでしたが、クリストに会えるので楽しみにしていました。

私は80年代にクリストの存在をマイアミ諸島の11個の島を囲むプロジェクトで知りました。
ピンクの何かしらの布で囲まれた写真は、なんとも美しい・・・。
その直後、パリのポンヌフ橋をすっぽり・・・布で覆うプロジェクトを成功させました。その頃仕事でパリに出かけることが多くポンヌフ橋を渡ったばかりで、また兄がすぐ近くの大学に通い住んでいて時に訪ねたこともあって、すごく身近に感じました。
その後、地元にショップを構えてから、アンブレラプロジェクトを体験する幸運に恵まれました。

こうした一連のプロジェクトに対して「何か、メッセージはありますか?」の問いに、クリストは「全く何もない」ときっぱり答えたのです。
「えっ!・・・・」・・・驚きです。「それじゃ、何のために・・・・?」

「美しさと喜び」のために「作品を作る」

「アイディアを実現させること」がなにより重要なことだと・・・。
人間の持つ永続的ではない愛着のあるもの(たとえば幼児の頃の大好きな毛布のような)・・・そんな短い感情を作品に込める。
絵や彫刻などは「所有できる」が「所有できない作品」というのが、重要な意味を持つ、というのです。それは自由を保持することにつながる。・・・・クリフトの世界観は、確かに鑑賞するのでなく体験するもの、なんですよね。そういう意味でも自由の存在は理解できる気がします。

一歩外にでると、自分達は誰かかがデザインされた空間の中にいることになる。クリストとジャンヌ・クロード(プロジェクトを実行するときに、ご夫婦で活動するらしい)の作品はその場所を借りて、その中に柔い感じの障壁物・・・(布)を作る。
実際に使われている空間を使うことが重要で、それは、私達が、「どれほど自由な立場にあるかを理解すること」になる・・・と。

スポンサーを受け入れずに、あれだけの大きなプロジェクトを実現するために作品を作る・・・というより作業し続けるクリストとジャンヌ。

そんな生き方もあるんだな・・・自分にはできない発想と行動。ソレを実現するためのエネルギーを保持するパワー。共感できる観客になれたことだけでも、嬉しい。
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by wedding-maria | 2007-11-11 15:43 | 歳時記